自 己 紹 介

自分の写真
京都市在中。自宅近くの嵐山周辺の西山や、桂川がホームグラウンドです。 現在飼育中の、数種のカエル・トカゲ・ 昆虫・鳴く虫の飼育記や、植物・ 野生生物を中心とした自然観察記、 釣り・山登りのレポートを記事にして いる、自然をこよなく愛す40代です(*^_^*)

2014年1月21日火曜日

ころもだこ 1

「うわぁ、なんやコレは!?」
「きもちわるー!」
静かな夜の漁港に、突然大声が響き渡った・・・。

それは、昨年の秋のこと。

いつものように、午後に仕事を終え、
若狭へアオリイカ狙いで、車を走らせた。

夕方5時。
秋風が幾分肌寒く感じる10月の終わり、
秋分を超えたこの頃には、日に日に日が短くなり、
出発する頃には、すでに雲の合間から、
夕焼けが辺りを琥珀色に照らしていた。
秋の夕焼けは、来るべき冬の到来に向けて空気も澄み始め、
さながら、年代物のシングルモルトウイスキーのようであった。

車を走らせた鯖街道も、滋賀県に入る頃には、
すっかり日が落ち、街灯の少ない街道をヘッドライトを頼りに走る。
鯖街道は、トラックや鉄道が発達していなかったその昔、
小浜湾で水揚された鯖に塩をした「塩さば」や若狭ぐじ(甘鯛)を
背中に背負った“しょいかご” 一つで山間を通り、
幾つもの峠を超えて京まで運んだ街道なのである。
街道沿いには、今でも「熊川宿」や「朽木宿」などの宿場が、
当時の面影を残している。
車での釣行でも、運転がイヤになるほどの道中を、
大きな“しょいかご”とともによく歩いたものだ。
中身は、塩がしてあるといえど、足が速い代名詞の鯖。
それも、籠いっぱいの量となれば、かなりの重さになるはずだ。
鯖の足が速ければ、自ずと、飛脚の足も早さが求められる。
そうして届いた鯖や若狭ぐじが、今日の京料理を支える一つの素材になっているのだ。

タマに、テレビで「鯖街道を歩く」企画を見ることがあるが、
山歩きに不慣れで運動不足な、若手芸人などは、しばらく歩いて
ギブアップしてしまうのであるが、もし私に「歩け」ということになったら、
歩ききる自信と気持ちはあるが、
実際は、それ以上に早くギブアップしてしまうのだろうか?
それ程に険しく、長い道のりであることは確かなのだ。

朽木宿から暫くは、人家もない山間を走り峠を超える。
やがて、国道303号線に入ると幾分道が広くなり走りやすくなる。
山間の谷筋に道路が付いているので、道はカーブこそ多いものの
比較的なだらかで、所々街灯があるのがありがたい。
やがて車は滋賀県に別れを告げ福井県に入る。
昼間でも車の往来が少ない道中は、スムーズに進むことができ、
1時間半もあれば、若狭の丹後街道に出るのだが、
ここからは、交通量も増え舞鶴方面へ向かうトラックなども
夜間ということで、随分と多くなる。
東西に広い若狭湾を抜けると、大きな三角形の山が見えてくる。
「わかさ富士」なのだが、残念ながら、こんなに暗くなってしまったら
その影すら見ることはできない。
わかさ富士といえば、地元では知られた“わかさ富士酒造”が
醸す銘酒「わかさ」が美味で、近くには、
日本名水百選にも選ばれた“瓜割の水”が湧出し、
水源の水汲み場には、連日多くの人々が、
ペットボトルやポリタンクを片手に並ぶのであるが、
その飲み口はまろやかな軟水で、酒造りにはもってこいの水であろう。

自宅を出てから2時間ほどで、高浜のある漁港に到着した。
豆電球からLEDに主流が移ったせいか、アオリイカ狙いのエギンガー達の期待
に膨らんだヘッドランプの明かりが、漁港傍の駐車場からも見て取れる。
「今日はいつもより人が多いなぁ・・・。とりあえず用意して、
開いている隙間でやらせてもらうか・・・」と、
駐車場から荷物を下ろしながら、場所の算段を行う。

しかし、私が、エギングを始めた頃(釣具屋では、茶やネズミなど
単色のハヤシのエギが主流だった頃)には考えられなかった光景は、
今や、釣り人のマナー不足や漁港の環境問題にまで
発展しており、年々、非常に深刻な状況に
なってきている事には一考を要するのではないだろうか。

波止を行きつつ、先客に挨拶を交わし、状況を聞く。
情報収集は、先人たちに聞くのが確実で、
後は、墨跡で判断するのが場所決めのセオリーなのだが、
釣り始めて、1時間もすると、今度は私が先人になり状況説明をすることになる。
こんなコミュニケーションが図れるのも、
同じ目的を持った方々が集う波止場の良い風景なのかもしれない。
しかし、先に述べたとおり、「エギング」というゲーム的要素の釣りになるに従い、
マナーが悪化するのは困ったもので、先人達えの挨拶も、
時に無視されることもあるが、大抵は、気分よく返してくれるものだ。
中には、私と休みが重なるのか、同じ曜日に何度も会う方もできて、
「顔見知り」の仲になることがある。
私などは、一年前に仲良くなった方と、再度出会い、
「久しぶり~。一年ぶりですね!」等と言うことも珍しくはないのである。

・・・つづく


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